ミルキーピンク

何処かの誰かには役に立つ

【辛すぎる失恋…乗り越えられれば大きな糧になる】~ラスト!~

f:id:ShimoAsu:20211029094056j:plain18、9(歳)で彼氏が全てだった私が簡単に立ち直れるわけないのです。失恋の辛さから早く抜け出したくて、打開策を探そうと周りの友達にも相談しまくりましたが、心の中では私ほど誰かを好きになった人なんて居ないだろうと悲観していました。失礼な奴ですね。

 
 考えないようにしようとしてもほぼ不可能でした。仕事中流れてくる流行りの音楽には全て彼を当てはめてしまうし、彼のことが頭をよぎって思考を停止してもすぐ自動再生されちゃいますから。心が彼を求めていたのです。涙が止まらない夜なんて3桁は優に超えます。彼の名前を口に出して泣いた夜もありました。私が失恋から立ち直ろうと最初にしたことは思い出さないこと、思い出してもすぐ別のことを考えるようにすることでしたが、いくら現実世界で抗っても夢に出てきてしまうのです。

別れて1日目から150日間、1日も欠かさず夢に出てきて…本当に辛かった。

 辛い夢の方が圧倒的に多く、稀に幸せな夢も見ましたが、朝起きてあぁ夢かと落胆する。だって彼は現実世界に彼女が居て、私のことなんて思い出しもしないんだろうと思うとね、心がえぐられる思いでした。夢を見ない体質の人が本当に羨ましかった。私は幼少期の頃からよく夢を見ましたから。その頃遊ぶ友達はたくさん居たし、実家暮らしで自分で稼いだお金は自由に使えたから、頭の中を彼一色にしないことは出来たのに、夢に出てこられたらお手上げで、出てこなければもっと早く忘れられるのにと思っていました。

 
 後にああそうかもと思った話ですが、失恋したときや心が辛いことを抱えているときは、まずは自分の気持ちを認めることなんだとか。確かに私は自分のまだ大好きだという気持ちを否定し続けていました。憎いところを探して嫌いになろうとも試みました。心は大好きだ忘れたくないと叫んでいるのに、頭では大嫌いだ忘れてやると考えているので余計に夢に出て来たんじゃないかと。勇気がいることですが心の声を肯定してあげることが、次に進む一歩になるんじゃないかなって思います。深夜0時から6時までルーズリーフに自分の心の深層を書きまくったときは確かに心が少し軽くなりました。大好きだったんだよね。まだ大好きなんだよねって。私ってこんなに人を好きになれるんだって誇っていいことだと思いますから。

 
 元彼を忘れるには新しい恋をするっていうのは昔も今も鉄板でしょうか。そのためには自分の恋愛アンテナの感度を最高に出来るといいです。鬼太郎をイメージして下さい。妖気を感じると髪がアンテナのように立つあれです。元彼が忘れられない中、出会う異性に違和感しかないと思いますが、人の悪い所を見つけるのは小学生でもできます。要は元彼との違いに目を向けるのではなくて、出会った人の良い所を見つけます。端からこの人は元彼と違う!終了!というのは恋愛アンテナがゼロのとき。けれど恋愛アンテナが弱で付いていると、この人なら好きになれるかも知れないと思えます。


 どんなにどん底に居ても転機は必ず訪れます。そのときにこれが転機かとは気付けないけど、後々あれが転機だったと思うものです。自分の今までの考えを180度変えるような大きな決断をするときや、もっと簡単に言うと、逃げてしまおうかと思った自分にムチ打って一歩踏み出す時です。因果応報、自分が出した勇気は必ず自分を助けてくれると思います。どんな形であれ目の前にチャンスが来たら、頑張る頑張らないは後で決めればいいのです、その一歩は重い重い一歩かも知れませんが価値ある一歩です。


結論から言いますと失恋の最中(さなか)重たい重たい一歩を踏み出した後に旦那さんになる人に会えました。興味がある方はこの失恋の後日談を見て呆れてください。一度よりを戻してまた振られます汗
https://milkypink.hatenablog.com/entry/shituren

【辛すぎる失恋…乗り越えられれば大きな糧になる】〜

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↓↓前回までの話↓↓
https://milkypink.hatenablog.com/entry/daishituren0
別れてすぐの頃なんて私は未練タラタラで、居るはずがないのに居るんじゃないかと街で彼を探したり似ている人を目で追ったり彼と同じ匂いを鼻が敏感に拾って胸が締め付けられたり、どこにいても何をしてても彼が頭を占めていました。彼の好きだった音楽を部屋で流したり、耐えられないときは彼に電話をしたこともありました。別れイコール会えなくて寂しいという甘い考えをしていました。本当の別れを理解したのは東京に帰ってきて一カ月ほど経った頃だったと思います。

 友達と会食中、彼から着信があり私は有頂天になる気持ちを抑え電話に出ます。要件は、彼女が出来た事。
一緒にユニバに行ったとか行くとか聞いていられるわけもなく、「幸せになってね」と電話を切ります。その後は泣き潰れ、乗ってきた自転車にも乗れず、友達がタクシーに乗せてくれたんだと思います。次の日彼と別れてから始めたバイトを早々に無断欠勤してしまいます。失意のどん底から抜け出せずにいました。別れは会えなくて寂しいだけじゃありませんでした。自分が一番特別じゃなくなる現実を突き付けられ、本当の失恋を覚えました。私の時間は彼と別れてから止まっていましたが、彼の時間は動き出していました。

 地に足がつかない感覚人ごみには慣れているのに急に人ごみが怖いと思う感覚自分が言葉を発しているのに、もう一人の自分が別のことを考えている気味悪い感覚目の前で起きている現実は理解出来るけど、私だけが取り残されているような感覚。とにかく精神が安定していないのは確かでした。消えてなくなりたいと思いました。そんな極限の精神状態の中で頭の片隅に思い浮かんだ人が母でした。
 
 母と私は決して仲がいいわけではありません。仲が悪いわけでもありませんが私が子供の頃から忙しい人だったので、何年もすれ違い生活を送りコミュニケーションを取っていませんでした。淡泊な人ですし、愛されているのかもわかりませんがそれでも、消えてなくなってしまおうと思ったとき母の顔が思い浮かび思いとどまったのです。母が悲しむ気がして、母が悲しむのは嫌だと思って。そうしたら後は立ち直るしかありません。

次回、大失恋からの立ち直り方

【辛すぎる失恋…乗り越えられれば大きな糧になる】~失恋当日~

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https://milkypink.hatenablog.com/entry/daishituren1
東京に帰ることを最初に伝えたのは彼のお母さんでした。彼のお母さんは「最後に生姜焼き作ってあげて」と私をスーパーに連れて行きました。彼には色々な手の込んだ料理も作りましたが、手のかからない生姜焼きが一番お気に入りだったようです。それをいつの間にかお母さんに話していたんですね。今日の夕食は彼と一緒だし、夜寝る時も一緒、明日も新幹線に乗るまでデートが出来る。彼の心を独り占め出来ない一生より、彼の心を独り占め出来る一瞬を私は選びました。

「帰らないで」

と、言ってくれました。なんで帰るの、と。「女の子を連れて来たのが一番嫌だった」と言いましたが半分ほんとで半分嘘です。確かにきっかけではありましたが、別れを秤にかけないと彼の気持ちと私の気持ちを平等にできなかったからです。今だからこそバカだなぁと思えますが、当時は真剣そのもので、とても不器用でしたが、とても一生懸命でした。


 そして当日、彼のお母さんが車で駅まで送ってくれる道中、景色を目に焼き付けていたような気がします。ここは彼のお父さんとご飯を食べた場所だとか、色々思い出しすでに車の中で泣いていたと思います。駅に着く前、彼のお母さんが気を利かせて二人っきりにしてくれたので、二人でパフェを食べました。そこで何を話したかは覚えていませんが、私たちはほとんどデートをしなかったのでとても嬉しかったのは覚えています。周りから恋人同士と思われてるかなとか、私はこの人の彼女って思われてたら嬉しいなとか。けれど楽しい時間はあっという間に終わってしまいます。


 断片的な記憶ですが、駅に着き階段を上って少ししたところでお母さんにあいさつをします。涙目のお母さんはそこで足を止めます。彼と二人で改札前に行き、言葉が出ずに顔を見ると涙しか出てきません。彼も泣きそうな顔で「泣くなよ」と言っています。ずっと黙って泣いていても迷惑がかかるので「バイバイ」と言って歩き出します。一度も振り返らず、電車の中でも東京に着いても、ずっと泣いていました。何日も涙が止まることはありませんし、彼を恋しく思わない日もありません。東京に帰ってしばらくは彼以外の家族と連絡をとっていて、彼に元気が無いことや「あんないい女もう居ない」と言っていたことを聞き一喜一憂していて、私はまだ本当の別れを理解していなかったのです。

彼の実家から東京へ帰る新幹線で読んでいました。たまには現実逃避もいいですよね。

【辛すぎる失恋…乗り越えられれば大きな糧になる】~失恋までのカウントダウン1~

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https://milkypink.hatenablog.com/entry/daishituren2
18歳、大好きな彼氏が他の女の子と親密なメールのやり取りをしているのを知って、後先考える余裕などあるはずもなく、携帯を見たことを伝えます。

「どれを…見たんですか」

彼の第一声はこうでした。言動が挙動不審ですが、心底焦っているようには見えません。それどころかこの状況を少し楽しんでいるようにも見えます。他の女と連絡を取ってたのが彼女にバレて激昂される俺、という状況が内心鼻高々だったのではないでしょうか。


 惚れたら負けと言いますが正に私がそれで、彼を好き過ぎるが故に、こいつは何をしても俺から離れないという自信を植え付けてしまったのでしょう。でもその自信は間違えです。釣った魚に餌をやらないと死んでしまいます。私が別れを決意する瞬間が間もなく訪れます。
 
 ある日リビングで彼のお母さんと談笑していると、彼が友達を連れて帰ってきました。1階にあるリビングのドアから2階に行く階段が見えるのですが、彼と一緒に居たのは私も知っている彼の親友。そしてもう一人は女の子だったのです。親友に彼女は居ないのに誰?誰?と取り乱す私にお母さんは「やきもちを焼かせたいだけ」と言いますし、何しに来たのというほどすぐ帰ったのですが、彼の部屋に女の子が入るのも、愛犬が女の子に触られるのも、それはそれは嫌だったのです。
 
 その日だったかその数日後だったか、東京行きの新幹線のチケットを買います。好きだから別れるという言葉はわからない人にはとことんわからないと思いますが、あの時の私は好きだから、好きすぎるから別れるという選択しか出来ませんでした。そうすれば東京行きの新幹線に乗るまでの間だけは、彼の気持ちを独占出来ると思ったからです。ほんの少しの時間だけでも、彼の心を私でいっぱいにしたかったのです。

「明日帰る」

彼のバイトが休みの日を見計らって告げました。なぜ前日に告げたのか。三日前に告げたところで、丸三日間彼の気持ちを独占する自信がなかったからです。

若い頃は男性がどういう女性に魅力を感じるのかとても興味がありました。女性として勉強になる、浮世離れしていて新鮮な本です。

次回二人の結末です。

【辛すぎる失恋…乗り越えられれば大きな糧になる】~失恋までのカウントダウン2~

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https://milkypink.hatenablog.com/entry/daishituren3
同棲している彼氏になんの前兆もなく「好きな子ができた」と言われ失意のどん底にいた私ですが、「今すぐ帰ってきて」と伝えたすぐ後に家の外に原付が止まる音がして安堵したのを覚えています。その後何を問いただし二人でどんな話をしたのかは残念ながら思い出せませんが、翌日にはまるで何事もなかったような覚えてないといったような態度だったと思います。
 
 彼の実家で暮らすようになってから、彼は毎日のように「待ってるだけの○○は嫌だ」と私に言いました。私にも感情があるわけですから内心、こちらの気も知らないで、待ってるのだって楽じゃないんだと思っていましたが、彼にぶつけることはありませんでした。彼に感化されたわけではないですが、いつまでもただ飯食いするわけにいかないとコンビニの面接を受けに行きました。
  
 その頃彼の母は、彼と私の先の未来について肯定していました。つまり結婚の話です。大好きな彼の本当の家族の一員になることを夢見ていたので、ずっと娘が欲しかったというお母さんの言葉に明るい未来が見えたのも束の間、彼の実父と義父は猛反対していました。自分の面倒も見れない奴が私の面倒を見れるわけがないと、普段は正反対な性格の二人の意見が一致していました。「誰のおかげで飯が食えてると思っとるんや」とまるで自分が養っているかのように先輩風を吹かせていた彼ですが、間違いなく彼の親のおかげです。彼は地元に帰ってから友達と一緒の居酒屋でバイトを始めましたが、家にお金を入れるわけでもなく、彼もまた養ってもらっている身でした。誰も二人のお父さんに言い返す言葉はありません。


 相変わらず毎日遊び惚けている彼ですが、以前と違うことは、私に疑う心が芽生えだしたことでした。ある日突然好きな子ができたなんて言われたら当然ですが、私は胸騒ぎを覚えることが多くなり、不安を制御できず、ある日彼の携帯に手を伸ばしてしまいます。もちろんロックがかかっているのですが以前「母親の誕生日にしてる」と言っていたのを思い出し、あまりにも簡単にロックを解いてしまいます。すぐさま女の子の名前を発見し、ためらわずにメール(まだLINEがない時代)を開くと

昨日は楽しかった♡

という内容が。彼よりも顔も知らないメールの相手にわなわなと怒りで体が震える感覚です。こんな内容のメールを見て黙って居られるなら、そもそも携帯に手を伸ばしていません。モラルに欠けた行動ですが、見なければよかったとは思いませんでした。見ずには居れなかった。私はその日のうちに携帯を見たことをカミングアウトします。

<今は亡きホスト王の奥様が書かれた本です。ホスト気質の彼でしたので、私には勉強になった1冊です。>

次回彼がまさかの行動に出ます。

【辛すぎる失恋…乗り越えられれば大きな糧になる】~失恋までのカウントダウン3~

f:id:ShimoAsu:20211029094056j:plain↓↓前回までの話↓↓
https://milkypink.hatenablog.com/entry/daishituren4
18歳で地元東京を離れ、車で5時間ほどの彼の実家での生活が始まったわけですが、ひとことで言うと幸せでした。彼の母とは二人で健康ランドに行くほど仲良くなったし、彼の愛犬は私がトイレに行くのにも着いてくるほど私になついてとても大好きでした。
彼不在でも彼の義父や義父の友人と麻雀をしたり、いとこや叔母さんとも一緒に食事をしました。彼の実家はよく人が集まる家で、彼の友達、彼の弟の友達、毎日誰かしらが来ていたように思います。私は訪問する人たちと名前で呼び合うほどに馴染んでいましたが、肝心の彼とだけがうまくいきません。


彼は東京での憂さを晴らすように毎日遊びほうけていましたが、私を蔑(ないがし)ろにしていた訳ではありませんでした。友達が居ない私に自分の友達の彼女を紹介してくれたり、すれ違っているときに手紙をくれたこともありました。一部しか覚えていませんが「いつまでも意地を張るな」という内容でした。プレゼントなんてもらったことはありませんでしたが、その手紙はとても嬉しかったのを覚えています。きっと彼が遊びほうけていてとても寂しかったけど、本心を言えず不貞腐れていた私に素直になれと書いてくれたのでしょう。


友達と遊びに行く彼が「一緒に行こうよ」と誘ってくれたこともありましたが、彼や彼の友達の前では完璧でいなければいけないと思っていたので、本当は行きたいけれど断っていました。実際、彼の友達が家に来たとき化粧をしてないと怒られましたし、彼は華奢なこが好きなので、標準体型の私は何度もデブと言われたものです。彼の前では小食な振りをして、駐車場で隠れてチョコレートを食べていたのが懐かしい…


彼は私に悪態をつきながらも私に歩み寄ろうとしてくれましたが、私は彼を好きになればなるほど、本当の自分が出せなくなっていました。朝帰りが続いても、怒りや不満をぶつけたことは一度もなかったんじゃないかなと思います。その時は良かれと思っていたんでしょうが、客観視すると都合のいい女ですね。そして突然実家に帰ると告げられたときと同じように、その言葉は突然告げられました。


ある日の夜中、彼の部屋で一人で待つ私にめずらしく彼から電話がありました。同じ家に住んでいれば普通の恋人同士のようにそうそう連絡はしませんからはやる気持ちを抑えて電話に出ます。

「好きな子ができた」

彼の声の後ろから数人の楽しそうな声、女の子の声も聞こえます。一瞬にして心臓が嫌な音を立て、血の気が引く感覚を覚えました。
「今すぐ帰ってきて」付き合って初めて言ったわがままがこれかも知れません。

<片思い中の人にも、今のパートナーと軌道修正したい方にもお勧め。男性目線で書かれた男の心理がわかる本です>

彼がますますわからなくなります。もう少し続きます。

【辛すぎる失恋…乗り越えられれば大きな糧になる】~失恋までのカウントダウン4~

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https://milkypink.hatenablog.com/entry/daishituren5
まだ18歳、地元で彼氏と同棲(もどきの居候ですが)しているのは私しかいなかったので、"帰ったら彼が居る"という環境を羨まれたこともありました。私は彼が好きで好きでしょうがなかったけど、愛されている実感はあまりなかったので浮かれてはいませんでした。言ってて悲しくなってきた。けれど一緒に住んでいるわけですから自分は特別くらいには思っていました。しかし私、彼、彼の実父、彼の愛犬との一風変わった生活は長くは続きませんでした。


理由のひとつは彼と彼の父との関係がうまく行っていなかったこと。彼の両親は彼が子供の頃に離婚しているので、彼の中には"捨てられた"というネガティブな思想が常にあるように見えました。もうひとつは彼が一つの場所に留まれない性格であるということ。当時は自由奔放だと思っていましたが、自分の居場所が見つけられずもがいていたんだと思います。そして親に面倒を見てもらって、彼女に食事の世話をしてもらっている一見楽な生活に居心地の悪さを感じたのかも知れません。


そんなこと当時の私は気付けず、私が彼を守ると独りよがりな考えばかりしていた気がします。彼はよく自分の心の内を話してくれる人でしたが、私は自分が思ってることを言えば嫌われると思っていました。「彼女が困ってたら助けたいと思うじゃん」という彼の言葉にも本心を打ち明けることはありませんでした。あの時助けてと言う勇気があったら、もしかしたらもっともっと一緒に過ごす時間が長かったのかも知れません。


そして突然「実家に帰る」と告げられたのです。一緒に行こうと言って欲しかったですが「私は?」と言ったと記憶しています。来るもの拒まずのタイプなのでしょう…彼女も一緒に連れて行くと彼が彼の母に連絡し、彼の母と再婚した義父が遠路はるばる迎えに来てくれました。彼の母は若く明るく可愛らしい人で、すぐに仲良くなりました。義父は優しく朗らかで、二人とも快く受け入れてくれたかどうかはわかりませんが、疎ましく思われてると感じたことは一度もありませんでした。こうして東京での生活は終わりを告げ、一度も足を踏み入れたことのない地方での生活が始まります。
この世界に彼と私の二人だけになればいいのにと思うほど大好きだったから、生まれた街を出ることも、彼以外知り合いがいない土地に行くのも、何の抵抗もありませんでした。

なんとも懐かしい…考えることに行き詰ったら、本に導いてもらいましょう。

若く未熟な二人はどうなるのでしょうか。続きます。