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【実体験】大好きな彼氏にフラれた日

f:id:ShimoAsu:20210930114624j:plain10年以上前に失恋した日の話。うわー悲惨。自分の方がまだマシかもと思ってもらえたら失恋した甲斐もあるってもんです。10年以上経った今微塵の未練もありませんが、その日のことは鮮明に覚えています。ついでに言うと同日スピリチュアルな体験もしまして、きっと当時の私にはインパクトが強すぎで今でも記憶に残っているのかも知れません。


 10代の頃に同棲していた彼のことが忘れられず、時を経て21歳でまた会うことができたので、すかさず自分の気持ちを伝えました。自分の気持ちを伝えることに何の抵抗もなかった気がします。当時の私が彼を好きなのは当たり前過ぎて、目の前に居るのに気持ちを伝えないことの方が不自然だったからです。

「断る理由がないよ」

これが彼の返事でした。天にも昇るふわふわした心地と、夢から覚めるのが怖いという恐怖がないまぜになった感情でした。


 彼を言葉で表現するならば危うい、地に足が着いていない、すぐにどこかへ飛んで行ってしまいそうな人でした。10代のときから一つの場所にとどまっていない人でしたから、程なくして私たちは東京と東海の遠距離になるのですが、一度目の別れが私を我慢強くさせ、一度別れてまた付き合えた事実が会えない時間を耐える私の糧になっていました。

<遠距離中よく読んでいた本です>
 遠距離中は会いたくても会えないのでよく音楽を聴いて自分を奮い立たせていました。彼との電話やメールの内容はくだらないことでも大事に大事に日記に書いては読み返し、ちょっと色をつけて友達に話したりしてやり過ごしていました。バレンタインに手作りチョコをクール便で送ったり離れていても出来る愛情表現を自分なりにしていました。


 ただ「会いたい」とは言えませんでした。その理由は二人の好きの度合いが対等ではなく、明らかに私の気持ちの方が大きかったからです。そうなるとなかなか言えないものです。でも会いたい。
そうだ!旅行の計画を立てれば彼に会えるし、電話をする口実ができると思った私は彼に話を持ち掛けます。いいよと返事をもらった私は浮かれて旅行雑誌を買いに行きます。人生で初めて買った旅行雑誌がそれだったかも知れません。


 そのあと私から電話をかけたのか、彼からかかってきたのかは定かではありませんが部屋で電話をしました。私は旅行のことで頭がいっぱいで、内心早く実現させたくて仕方ありません。


「旅行どこ行く?」

「………彼女できた」

「……そっか。重くてごめんね」

「重くないよ!」


 字だけ見ると話をすっ飛ばしてるように見えますね。でも何もはしょっていないのです。告白する→OKをもらう→旅行に誘う→OKをもらう→行き先はどこにするか聞く→振られる。"彼女"が私に電話をしてと言ったのかもしれません。「重くないよ」の言葉の後は泣きつくこともなく、攻めることもなく、バイバイと電話を切りました。その瞬間涙があとからあとから流れてきます。私の語彙力ではあのときの感情をうまく言葉で表すことはできません。ただただ悲しくて悲しくて酷く傷つきましたが、絶望の気持ちの中に「もう頑張らなくていいんだ」という安堵の気持ちがあることに気付きました。


 その瞬間確かに『おつかれさま』と誰かの手が右肩にポンと触れたのです。もちろん部屋には私一人しか居ませんが、怖いという感情は全くありませんでした。この話を人にするとコワッと言われますが、あの正体は未来の自分だったんじゃないかと今も思っています。


 振られたときに決めたことが自分を大事にすることと、次に付き合った人と結婚するということでした。その半年後にできた彼氏が今の旦那さんだったりします。


さらに後日談です
https://milkypink.hatenablog.com/entry/dondengaeshi